葬儀社の生成AI活用|Claude Codeで施行ごとの手配と数量の確定、法要の案内を内製する

葬儀社の施行ごとの手配と数量の確定、法要の案内をClaude Codeで内製するイメージイラスト

夜中に搬送の連絡を受け、朝には遺族と打ち合わせをし、昼までに火葬場と式場を押さえ、夕方には通夜の返礼品と料理の数を見直し、式が終われば請求書をまとめて、少し落ち着いたころに四十九日の相談を受ける——葬儀社で、葬祭担当者の仕事はだいたいこの形をしています。この仕事が本当に苦しくなるのは、件数が増えたときではなく、一件の施行に十を超える発注先がぶら下がり、そのどれもが数日のうちに確定しなければならないときです。結論から言うと、この確定の状況を見張る作業はいま道具に置き換えられる場所です。そしてその道具は、システムに詳しい人が社内にいなくても、葬祭担当者が自分でClaude Codeを使って作れます。本記事では、葬儀社の時間を奪っている作業を4つに整理し、それぞれをどんな道具に置き換えられるか、そして法令上の手続き・宗教者とのやりとり・遺族の情報でどこまでを人の手元に残すべきかを解説します。

葬儀社の業務で人が担う仕事と、ツールに任せられる仕事
図:葬儀社の業務で人が担う仕事と、ツールに任せられる仕事

葬儀社で時間が消えている4か所

葬儀社の仕事は、外から見ると「式を執り行う」の一言で説明されます。しかし葬祭担当者の時間を食っているのは、式場の外にぶら下がっている手配と確認の作業です。自社の式場を持つ会社でも、公営の斎場や寺院を使うことが多い会社でも、家族葬が中心の小さな会社でも、共通しているのは次の4か所です。

  • 施行ごとの手配:火葬場と式場の予約、宗教者の都合、搬送の車、生花や祭壇、返礼品、料理、会葬礼状の印刷が、それぞれ電話とファクスとメモでつながっている
  • 数量の確定:通夜の参列者が見込みより多かった、少なかった、という変化を、返礼品と料理の発注先に伝え直す作業が、担当者の頭の中にある
  • 請求と精算:見積の内容、式の途中で増えた分、遺族に代わって立て替えた費用が、一枚の伝票の上で混ざっている
  • 式のあとの案内:四十九日や一周忌の相談、香典返しの手配、仏壇や墓の紹介といった、施行が終わってから始まる仕事の時期が、誰の台帳にも載っていない

この4つに共通しているのは、どれも式を執り行う技能ではなく「情報が打ち合わせのメモ・発注先からの回答・伝票に分かれていて、人が集めて突き合わせている」という構造だという点です。遺族と向き合うのは人がやるとしても、集めて突き合わせるところは道具に任せられます。そして、この種の道具は基幹システムの入れ替えを待たなくても、現場の運用を知っている本人が自分で用意できるところまで来ています。Claude Codeがどんなツールかをまだご存じない方は、こちらの入門記事から読むと以降の話がつかみやすくなります。多くの手配先の回答を期限までにそろえる仕事として、旅行会社の手配と取消の期限を内製する記事も業務の構造が近いので参考になります。

手配は施行ごとに、発注先の「確定」まで追う

葬儀社の手配でいちばん事故が起きやすいのは、「頼んだ」と「確定した」を同じ印で表している点です。生花店に電話をした、料理の店にファクスを送った、という時点でホワイトボードに丸をつける。ところが先方は折り返しの確認を待っていて、実際には何も動いていない。あるいは、日程が一日ずれたことを、火葬場と式場には伝えたのに、返礼品の店にだけ伝え損ねる。どちらも、手配を「施行の行に丸をつける」形で持っているときに起きます。

形としては、施行の行とは別に、発注先ごとの行を持つのが基本です。施行の行には、施行の番号・喪家の名前・日程(通夜と葬儀・告別式と火葬)・式場・担当者を持ちます。発注先の行には、施行の番号・発注先・品目・依頼した日・先方が確定と返してきた日・確定した内容・最後に日程を伝えた日を持ちます。この形にしておくと、道具に次の3つを抜き出させられます。

  • 依頼したのに、確定の返事が来ていない発注先:施行の日が近い順に並べる
  • 施行の日程を変えたあとに、新しい日程を伝えていない発注先:施行の行の日程が変わった日と、発注先の行の「最後に日程を伝えた日」を比べるだけで出せる
  • 施行の日程に対して、まだ一件も依頼していない品目:その会社でいつも頼む品目の一覧と突き合わせる

二つ目がとくに効きます。日程の変更は、火葬場の空きや宗教者の都合で起きることが多く、変更そのものは担当者がいちばん気にかけている作業です。抜けるのは、そのあとに変更を伝えるべき先が十近くあるという部分です。ここは記憶ではなく、日付の比較で見つけるべきところです。依頼から確定までを一件ずつ追う作りは発注と納品を管理するツールの内製手順が、日程の調整と予定の管理は日程調整のツールを内製する手順が、それぞれ土台になります。

ここで、法令で順番が決まっている手続きを、ほかの手配と同じ列に並べないことも大事です。墓地、埋葬等に関する法律第三条は、埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定めがあるものを除くほか、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ行ってはならないと定めています(妊娠七箇月に満たない死産のときについてのただし書があります)。同法第五条第一項は、埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は市町村長の許可を受けなければならないとし、第十四条第三項は、火葬場の管理者は火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ火葬を行ってはならないとしています。そして戸籍法第八十六条は、死亡の届出は、届出義務者が死亡の事実を知った日から七日以内(国外で死亡があったときは三箇月以内)にしなければならないと定めています。台帳では、死亡の日時、死亡届を出した日、火葬許可証を受け取った日を、生花や料理の手配とは別の欄に持ってください。火葬の予約を入れられる時刻が、この欄から決まるからです。

返礼品と料理は、見込み・確定・実績を分ける

葬儀の数量でいちばん難しいのは、最後まで数が決まらないことです。打ち合わせでは「親戚が二十人くらい、会社関係が少し」という見込みしか出ない。通夜の当日になって、思っていたより多くの方が来る。翌日の告別式のぶんを、その晩のうちに増やすかどうか決める。こうした変化が、担当者と発注先の電話のやりとりだけで進んでいきます。

ここで多くの会社が持っている数は一つだけ、「いまの数」です。この持ち方の何が危ういかというと、あとで請求をまとめるときに、どの時点の数で請求するのかが分からなくなることです。返礼品のように余った分を返せる品目と、料理のように作ったら返せない品目では、請求の根拠になる数が違います。内製で作るべきは、品目ごとに次の三つの数を別々に持つ台帳です。

  • 見込みの数:打ち合わせで遺族と決めた数と、決めた日時
  • 確定の数:発注先に最後に伝えた数と、伝えた日時。増やした・減らしたの履歴も残す
  • 実績の数:実際に使った数と、返品した数

この三つが分かれていると、道具に「確定の数と実績の数の差が大きい品目」を出させられます。次の施行で見込みを立てるときの材料になりますし、遺族への説明も「打ち合わせではこの数、当日このように増やし、実際にはこれだけ使いました」と順を追ってできます。ただし、道具に数を決めさせないでください。喪家の交友関係、地域の慣習、天候、会場の広さといった事情は、数字の外にあります。道具は材料を並べるまでにして、何をいくつにするかは担当者が遺族と決める。この分担が、数量の道具を長く使えるかどうかの分かれ目です。注文の数と納品の数を突き合わせる作りは受注と出荷を管理するツールの内製手順が近い形です。

請求は見積と追加と立替を分けて持つ

施行が終わったあとの請求で揉めごとになりやすいのは、見積に入っていたもの、式の途中で増えたもの、会社が立て替えたものが一枚に混ざっているときです。遺族からすると、打ち合わせで聞いた金額より増えている理由が見えません。担当者にとっても、何がどの時点で決まったのかを思い出しながら説明することになります。

形としては、施行ごとに請求の明細を三つの区分で持ちます。

  • 見積の明細:打ち合わせで提示し、遺族の了承を得た内容と、了承を得た日
  • 追加の明細:式の途中で増えたもの。何を、いつ、誰の了承で増やしたかを一行ずつ持つ
  • 立替の明細:火葬場の使用料など、会社が遺族に代わって支払ったもの。会社の売上ではないので、受け取った領収書の有無とあわせて別に持つ

この形にしておくと、道具に「了承を得た記録がない追加の行」を出させられます。請求書を出す前にここが空でなければ、あとの説明で困ることはまず起きません。宗教者へのお礼は、この明細に混ぜないことも大事です。金額をどうするかは遺族と宗教者のあいだのことで、会社が預かって渡すことがあっても、会社の請求とは性質が違います。台帳に持つなら、預かった事実と渡した日だけにしてください。見積の作りは見積書を作るツールの内製手順が、請求後の入金を追う作りは入金確認と未入金の管理ツールを内製する手順が土台になります。

法要の日付は計算せず、確かめた日を持つ

葬儀社にとって、式が終わったあとの関わりは大事な仕事です。四十九日の法要、香典返し、一周忌、仏壇や墓の相談。どれも遺族から声がかかる前に、会社の側から時期を見て案内できると喜ばれます。そのため「命日から数えて、案内する時期を自動で出す」という仕組みを作りたくなりますが、ここで日付を計算で決めないでください。

理由は、法要の日の数え方が宗派や地域によって違い、さらに実際の法要は遺族と宗教者の都合で前後に動くからです。命日を一日目として数えるか、前日から数えるか。週末に寄せるか。四十九日を待たずに三十五日で行う地域もあります。計算で出した日付で案内を送ると、すでに決まっている日と違う日を書いてしまう事故が起きます。台帳には、計算した目安の日と、遺族や宗教者に確かめて決まった日を、別の欄に持つのが基本です。道具には、目安の日が近いのに、決まった日がまだ空いている喪家を出させます。案内するのはそこだけで、決まった日がある喪家には、その日を前提に香典返しや会食の相談を進めます。

そして、案内の一覧から必ず外すべき行があります。今後の連絡を望まないと言われた喪家と、すでに他社に法要を依頼した喪家です。葬儀の直後は、遺族がいちばん疲れている時期です。望まれていない連絡は、それまでの施行の印象を損ないます。喪家の行に、案内してよいかどうかと、断られた事実を別々の欄として持ち、道具には必ずその欄で絞り込ませてください。さらに、広告や宣伝を目的とする電子メールで案内する場合、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第三条第一項は、あらかじめ送信を求める旨または送信に同意する旨を通知した者などを除いて、送信をしてはならないと定めています。同条第二項は同意があったことを証する記録の保存を、同条第三項は送信をしないように求める通知を受けたときにその意思に反して送信してはならないことを定めています。連絡先を持っていることと、案内を送ってよいことは別です。期限の近いものだけを抜き出す作りは更新期限を管理するツールの内製手順が、案内の漏れを防ぐ作りはフォローの漏れを防ぐリマインダーを内製する手順が近い形です。

機械に渡してはいけない判断の線引き

葬儀社には、ツールに渡してはいけない部分がはっきりあります。導入の前にここを決めておかないと、あとで大きな手戻りになります。

第一に、法令上の手続きの判断です。死亡届の届出義務者は、戸籍法第八十七条が、同居の親族、その他の同居者、家主・地主又は家屋若しくは土地の管理人の順に定め、同居の親族以外の親族や後見人なども届出をすることができるとしています。また墓地、埋葬等に関する法律施行規則第八条は、火葬場の管理者は、火葬を行ったときは、火葬許可証に火葬を行った日時を記入し、署名し、印を押し、これを火葬を求めた者に返さなければならないとしています。この返された許可証は、そのあとの埋葬や納骨で必要になる書類です。道具には「この書類を受け取ったか、渡したか」の記録を持たせても、手続きをどう進めるかの判断は持たせないでください。届出の方法や必要な書類は自治体によって扱いが異なるため、所在地の市区町村の窓口でご確認ください。

第二に、宗教と慣習にかかわる判断です。式の進め方、法要の時期、供物やお礼の作法は、宗派・地域・家ごとに違います。道具に「一般的にはこうです」と答えさせて、それを遺族に伝えるという使い方はしないでください。そこは担当者が、遺族と宗教者に確かめながら決める部分です。

第三に、遺族への説明と文面です。会葬礼状や案内状の書式を整えるところまでは道具に任せられますが、その内容を遺族に確かめずに送ることはしないでください。故人の名前や続柄の誤りは、取り返しがつきません。

第四に、故人と遺族の情報の扱いです。個人情報の保護に関する法律第二条第一項は、個人情報を生存する個人に関する情報と定義しています。ただし、故人の情報であっても、喪主や遺族の氏名・住所・連絡先と結びついた記録は、遺族の個人情報として扱う必要があります。死因や病歴、家族の事情のように、打ち合わせで聞いた話の多くは、外に出てはいけない情報です。試作の段階では実在する喪家の情報を使わず、形だけ同じにしたダミーのデータで動かしてください。生成AIに何を入力してはいけないかの整理は生成AIに入力してはいけない情報の一覧に、漏えいを防ぐ社内ルールの作り方は情報漏えいを防ぐ社内ルールの作り方にまとめています。

葬祭担当者が自分で作り始める進め方

「作れると言われても、プログラムを書いたことがない」という方がほとんどだと思います。実際のところ、いま非エンジニアが最初に越えるべきなのはプログラミングの壁ではなく、自分の困りごとを言葉で正確に説明するという壁です。Claude Codeのようなツールは、日本語で「施行の一覧と発注先の一覧を突き合わせて、日程を変えたあとに新しい日程を伝えていない発注先を出したい」と伝えれば、その通りに動くものを組み立ててくれます。

進め方としては、次の順番をおすすめしています。

  • 案内の対象から外す欄を最初に作る:連絡を望まない喪家を確実に除ける状態を作ってから、抜き出す機能に進む。順番を逆にしない
  • いま使っているファイルをそのまま材料にする:打ち合わせの記録、発注の控え、請求の明細は、形式がばらばらのまま読ませる。現場に新しい入力の型を押しつけない
  • 見るべき行を絞るところまでにする:作ったその日から効くのは「確定の返事が来ていない発注先を施行の日が近い順に出す」といった機能です。文面を書かせる方向には広げない
  • 本番の情報を入れる前に線引きを決める:試作はダミーのデータで動かし、実際の喪家の情報を通すのは、扱いの決まりを文書にしてからにする
  • 動いたら社内に見せて、次を決める:机上で仕様を固めるより、動くものを1つ見せたほうが「料理の数の変更もこれで見たい」という次の要望が具体的に出てきます

この進め方を、自社の実際の業務を題材にして数日で一巡させるのが、AI CODEMYの研修の中身です。研修としての実施には人材開発支援助成金が使える場合があります。制度の要件や助成の内容は改正されることがあるため、生成AI研修に使える助成金の解説記事とIT導入補助金と研修の関係を確認のうえ、最新の情報は必ず所管の窓口でご確認ください。

まとめ:式の外の確認を、道具に渡す

本記事の要点を整理します。

  • 葬儀社で時間を食っているのは、施行ごとの手配、数量の確定、請求と精算、式のあとの案内という4か所
  • 手配は施行の行とは別に発注先の行を持ち、「依頼した日」と「確定した日」と「最後に日程を伝えた日」を分ける
  • 死亡の日時、死亡届を出した日、火葬許可証を受け取った日は、ほかの手配と別の欄に持つ
  • 返礼品と料理は、見込み・確定・実績の三つの数を分けて持つ。数を決めるのは人
  • 請求は見積・追加・立替を分け、了承を得た記録がない追加を請求の前に出す
  • 法要の日付は計算で決めず、目安の日と確かめて決まった日を別に持つ
  • 連絡を望まない喪家を案内から外す欄を、いちばん最初に作る
  • 法令上の手続き、宗教と慣習、遺族への文面、故人と遺族の情報の判断は、道具を入れても人の手元に残す

葬儀社は、限られた日数のなかで多くの手配を確実にそろえることが求められる仕事でありながら、その確定の状況が電話とファクスと担当者の記憶に任されてきた業種です。そして、その道具をいちばんうまく作れるのは、どの発注先の返事が遅れやすく、どの変更が伝わりにくいかを知っている現場の人自身です。基幹システムの入れ替えを待つより、自分たちで小さく作って育てるほうが速く、そして安く済む段階に来ています。

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本記事の業務の切り分けは、一般の葬儀を請け負う葬儀社の一般的な業務の流れをもとにした整理です。本文中の法令については、墓地、埋葬等に関する法律第三条・第五条・第十四条、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第八条、戸籍法第八十六条・第八十七条、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第三条、個人情報の保護に関する法律第二条を、e-Gov法令検索で2026年10月6日に確認しています。自社の運用への当てはめ、死亡届や火葬許可の手続きの扱いは、所在地の市区町村が公表する情報、ならびに専門家にご確認ください。制度の内容は改正されることがあります。助成金の要件・助成率も同様です。

執筆:AI CODEMY 編集部 / 最終更新:2026年10月6日