タクシー事業者の生成AI活用|Claude Codeで点呼と乗務記録、乗務員等台帳、事故の記録と指導を内製で見張る

タクシー事業者の点呼や乗務記録、乗務員等台帳をClaude Codeで内製して見張るイメージイラスト

早朝から営業所で出庫する運転者の点呼をとり、日中は無線や配車の画面で車の動きを見ながら乗務を終えた運転者の帰庫を待ち、夜は乗務の記録をまとめて翌日の乗務割を組む——タクシー事業者の営業所で働く運行管理者や事務の担当者の毎日は、だいたいこの形をしています。この仕事が本当に苦しくなるのは、車の台数が増えたときではなく、誰の点呼を誰がどの方法でとったか、どの車の乗務記録がどの日の分まで集まっているか、どの運転者の免許の有効期限が近いか、事故を起こした運転者や新しく雇い入れた運転者に特別な指導と適性診断を済ませたかが、点呼の記録簿と日報の束と台帳のファイルと担当者の記憶に散らばっているときです。結論から言うと、この材料をそろえて、抜けているものや期限が近いものを抜き出す作業は、いま道具に置き換えられる場所です。そしてその道具は、システムに詳しい人が会社にいなくても、運行管理者や事務の担当者自身がClaude Codeを使って作れます。本記事では、タクシー事業者の時間を奪っている作業を4つに整理し、それぞれをどんな道具に置き換えられるか、どの日付と項目を持つべきか、運行の安全の判断でどこまでを人の手元に残すべきかを解説します。

タクシー事業者の業務で人が担う仕事と、ツールに任せられる仕事
図:タクシー事業者の業務で人が担う仕事と、ツールに任せられる仕事

タクシー事業者で時間が消えている4か所

タクシーの仕事は、外から見ると「お客様を乗せて走ること」が中心に見えます。しかし営業所の運行管理者や事務の担当者の時間を食っているのは、配車そのものよりも、乗務の前と後の確認を毎回抜けなく残し、運転者ごとの記録を整理し、台帳や指導の記録を切らさないための作業です。数台で営む小さな会社でも、いくつもの営業所を持つ会社でも、共通しているのは次の4か所です。

  • 乗務の前と後の点呼:アルコール検知器の結果は検知器の画面に、点呼した人と方法は記録簿に、車の番号は配車の表にと別々にあり、点呼の漏れに気づくのは月末に記録簿を見返したときになっている
  • 運転者ごとの乗務記録:乗車した区間と走行距離は運転者の日報に、速度と時間は運行記録計に残るが、車ごとにまとめて並べるのは事務の担当者の手作業になっている
  • 乗務員等台帳と運転免許:運転者ごとの免許の有効期限や健康状態、指導の受講の状況が、台帳のファイルを一冊ずつ開かないと分からない
  • 事故の記録と指導監督:事故の記録と、事故を起こした運転者への特別な指導と適性診断が、別々の書類で管理され、済んだかどうかをまとめて確かめる仕組みがない

この4つに共通しているのは、どれも運転の技術ではなく「判断の材料が記録簿・日報・運行記録計・台帳に分かれていて、人が集めて突き合わせている」という構造だという点です。乗務させてよいかを決めるのは運行管理者がやるとしても、集めて突き合わせるところは道具に任せられます。Claude Codeがどんなツールかをまだご存じない方は、こちらの入門記事から読むと以降の話がつかみやすくなります。貨物を運ぶ側から見た段取りは運送業の内製を扱った記事に、運転を教える側は自動車教習所の内製を扱った記事にもまとめています。

点呼の記録は、運転者ごと・乗務ごとに点呼した人と方法まで残す

点呼でいちばん困るのは、出庫の時間が重なる朝に点呼は確かにとっているのに、点呼した人の名前や点呼の方法、乗る車の番号の欄が空いたまま記録簿が埋まっていき、どの運転者のどの乗務の分が抜けているかが後から分からないことです。乗務を終えた後の点呼は、帰庫の時間がばらばらなぶん、さらに抜けやすくなります。

旅客自動車運送事業運輸規則の第二十四条第一項は、事業者は運行の業務に従事しようとする運転者に対して、対面により、または対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法により点呼を行い、日常の点検の実施またはその確認、酒気帯びの有無、疾病・疲労・睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無について報告を求めて確認を行い、運行の安全を確保するために必要な指示を与えなければならないとしています。第二項は、運行の業務を終了した運転者に対しても点呼を行い、事業用自動車・道路・運行の状況について報告を求め、酒気帯びの有無を確認しなければならないとし、他の運転者と交替した場合はその通告についても報告を求めることとしています。第四項は、アルコール検知器を営業所ごとに備えて常時有効に保持し、酒気帯びの有無の確認では、運転者の状態を目視などで確認するほか、営業所に備えたアルコール検知器を用いなければならないとしています。第五項は、点呼を行ったときは、運転者ごとに、点呼を行った旨、報告・確認・指示の内容と、点呼を行った者と受けた運転者の氏名、事業用自動車の自動車登録番号など車を識別できる表示、点呼の日時、点呼の方法などを記録し、その記録を一年間保存しなければならないとしています。

形としては、一人の運転者の一回の乗務ごとに、乗務の前の点呼と後の点呼を一行ずつ持ち、点呼の日時、点呼した人、点呼の方法、乗る車の登録番号、アルコール検知器での確認の結果、日常の点検の確認、体調の報告、与えた指示を、それぞれ別の欄で持ちます。乗務の前の行と後の行は、乗務の番号でひもづけます。道具には、次のものを抜き出させられます。

  • 乗務の前の点呼の行はあるのに、乗務の後の点呼の行がない乗務:帰庫の予定の時刻を過ぎたら、その場で運行管理者の画面に出す
  • 点呼した人、点呼の方法、車の登録番号のどれかが空いている行:その日の終わりに、点呼した人ごとにまとめて並べる
  • 点呼の日から数えて一年の保存の期限を過ぎた記録:処分してよいかを運行管理者が決められるよう、月に一度まとめて出す

紙の記録簿や検知器の出力から欄を起こす作りはPDFからデータを抜き出すツールの内製手順が近い形です。対面以外の方法でとった点呼が、国土交通大臣が定める方法の要件を満たしているかは、運行管理者が告示や通達で確かめてください。道具には、記録された方法を並べさせるところまでにします。

乗務記録は運転者に書かせ、車ごとに整理して並べる

乗務記録で起きやすいのは、運転者は毎日の乗務記録を書いて提出しているのに、乗車した区間や走行距離の積算の数字に空欄や書き損じがあり、車ごとにまとめる段階になって初めて抜けに気づくことです。運行記録計の記録と突き合わせるのも、記録紙やデータを一台ずつ見比べる手作業になりがちです。

運輸規則の第二十五条第三項は、一般乗用旅客自動車運送事業者は、運転者が運行の業務に従事したときは、運転者の氏名、事業用自動車の自動車登録番号など車を識別できる表示、業務の開始と終了の地点と日時、主な経過地点と業務に従事した距離、業務を交替した場合のその地点と日時、休憩や仮眠をした場合のその地点と日時、交通事故などの事故や著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合のその概要と原因に加え、旅客が乗車した区間と、走行距離計に表示されている業務の開始時と終了時の積算キロ数を運転者ごとに記録させ、その記録を事業用自動車ごとに整理して一年間保存しなければならないとしています。第二十六条第二項は、地方運輸局長が指定する地域の中に営業所を持つ事業者(個人タクシー事業者を除く)は、地方運輸局長が定める日以後、その営業所に属する運転者が運行の業務に従事した場合は、車の瞬間速度、運行距離、運行時間を運行記録計で記録し、その記録を運転者ごとに整理して一年間保存しなければならないとしています。また第二十二条は、同じく指定された地域の中に営業所を持つ事業者について、地方運輸局長が定める乗務距離の最高限度を超えて運転者を乗務させてはならないとしています。

形としては、一人の運転者の一回の乗務ごとに一行を持ち、車の登録番号、業務の開始と終了の地点と日時、開始時と終了時の積算キロ数、交替や休憩の地点と日時を、それぞれ別の欄で持ちます。乗車した区間は乗務の行にひもづけて一回の乗車ごとに行を持たせます。営業所が指定された地域にあるかどうかと、その地域の乗務距離の最高限度は、営業所の表に人が入力します。道具には、次のものを出させられます。

  • 終了時の積算キロ数が開始時より小さい、または前の乗務の終了時とつながらない行:乗務記録が提出されたその日に、車ごとに並べる
  • 終了時と開始時の積算キロ数から出した走行距離が、営業所に入力した乗務距離の最高限度に近い乗務:乗務割を組む前に運行管理者へ出す
  • 乗務の行はあるのに、運行記録計の記録がその日の分だけ見当たらない車:週に一度まとめて並べる

車ごとに記録を集める作りは社用車の管理ツールの内製手順が、乗務割を組む材料をそろえる作りはシフト表の作成ツールの内製手順が近い形です。乗務距離の最高限度や指定された地域の範囲は、地方運輸局の公示で人が確かめて入力してください。

乗務員等台帳と免許の有効期限は、運転者ごとに見張る

毎日の乗務とは別に、運転者ごとの台帳と、乗務のときに持たせる乗務員証も見落としやすい場所です。入社したときに作った台帳が、免許の更新や健康状態の変化、指導の受講のたびに書き換えられないまま、ファイルの中で古くなっていきます。

運輸規則の第三十七条第一項は、事業者は運転者ごとに、作成番号と作成年月日、事業者の氏名または名称、運転者の氏名・生年月日・住所、雇入れの年月日と運転者に選任された年月日、運転免許証などの番号と有効期限、運転免許の年月日と種類、免許に条件が付いている場合のその条件、運転の経歴、事故を引き起こした場合のその概要、運転者の健康状態、指導の実施と適性診断の受診の状況などを記載し、写真を貼り付けた乗務員等台帳を作成して、運転者の属する営業所に備えて置かなければならないとしています。第二項は、運転者が転任や退職などで運転者でなくなった場合は、直ちに台帳に運転者でなくなった年月日と理由を記載し、これを三年間保存しなければならないとしています。第三項は、一般乗用旅客自動車運送事業者は、運転者を乗務させるときは、所定の事項を記載し写真を貼り付けた乗務員証を携行させなければならないとしています(タクシー業務適正化特別措置法により運転者証を表示しなければならない車を除く)。第四項は、運転者でなくなった場合は乗務員証に運転者でなくなった年月日と理由を記載し、これを一年間保存しなければならないとしています。

形としては、運転者ごとに一行を持ち、雇入れの年月日、運転者に選任された年月日、免許の種類と有効期限、運転者でなくなった年月日と理由を、それぞれ別の欄で持ちます。免許を更新したときは行を書き換えず、前の有効期限を残したまま新しい有効期限の行を足します。指導の実施と適性診断の受診は、次の章の表から台帳に引いてきます。道具には、次のものを出させられます。

  • 免許の有効期限が近いのに、更新後の有効期限の行がない運転者:有効期限の数か月前から、月に一度運行管理者へ並べる
  • 台帳の作成年月日から日がたち、健康状態や指導の欄が古いままの運転者:健康診断の結果が出た時期に合わせて並べる
  • 運転者でなくなった年月日から数えて、台帳の三年と乗務員証の一年の保存の期限を過ぎたもの:処分してよいかを決められるよう、年に一度まとめて出す

人ごとの免許や資格の期限を見張る作りは許認可・免許の更新期限管理ツールの形でそのまま使えます。免許の有効期限は、運転者が持参した免許証や免許情報記録で人が確かめて入力してください。

事故の記録と指導監督、適性診断は、運転者ごとに対象を並べる

最後は、事故と指導の記録です。事故の記録は残しているのに、事故を起こした運転者への特別な指導と適性診断が済んだかどうかが別の書類にあり、六十五歳を迎えた運転者や新しく雇い入れた運転者の受診が、気づいたときには遅れていることは、乗務の管理に追われるほど起きやすくなります。

運輸規則の第二十六条の二は、事業用自動車に係る事故が発生した場合は、乗務員の氏名、車の自動車登録番号など、事故の発生日時と発生場所、乗務員以外の当事者の氏名、損害の程度を含む事故の概要、事故の原因、再発防止対策を記録し、その記録を車の運行を管理する営業所において三年間保存しなければならないとしています。第三十八条第一項は、運転者に対して、主として運行する営業区域の状態やこれに対処できる運転技術、法令に定める自動車の運転に関する事項について適切な指導監督をしなければならないとし、その日時、場所、内容、指導監督を行った者と受けた者を記録し、営業所において三年間保存しなければならないとしています。第二項は、死者または負傷者が生じた事故を引き起こした者、運転者として新たに雇い入れた者、乗務しようとする車について必要な乗務の経験を有しない者、六十五歳以上の高齢者に対して、告示で定めるところにより特別な指導を行い、国土交通大臣の認定を受けた適性診断を受けさせなければならないとしています。さらに第三十六条第二項は、一般乗用旅客自動車運送事業者(個人タクシー事業者を除く)は、新たに雇い入れた者について、指導・監督と特別な指導を行い、適性診断を受けさせた後でなければ運転者として選任してはならないとしています(営業区域内で雇入れの日の前二年以内に通算九十日以上タクシーの運転者であった場合などを除く)。

形としては、事故ごとに一行を持ち、発生日時、発生場所、乗務員、車の登録番号、概要、原因、再発防止対策を、それぞれ別の欄で持ちます。指導監督は一回ごとに一行を持ち、日時、場所、内容、行った者、受けた者を持たせます。特別な指導と適性診断は運転者ごとに行を持ち、対象になった理由と、その理由が生じた日、特別な指導を行った日、適性診断を受けた日を持たせます。道具には、次のものを出させられます。

  • 死傷者が生じた事故の行があるのに、その運転者の特別な指導や適性診断の日が空いている運転者:事故の記録を入れたその日に運行管理者へ出す
  • 台帳の生年月日から、六十五歳を迎える運転者:誕生日の前の月に、受診の段取りと一緒に並べる
  • 雇入れの年月日はあるのに、特別な指導と適性診断の日が空いたまま選任の日が入りそうな運転者:選任の手続きをする前に出す
  • 原因や再発防止対策の欄が空いている事故の記録:毎週の打合せの前に並べる

指導や受講の日を人ごとに並べる作りは研修・資格の受講記録管理ツールの内製手順が、事故やヒヤリハットを集める作りは安全報告の集計ツールの内製手順が近い形です。特別な指導の時間や内容、適性診断を受ける時期の細かい決まりは告示で定められているため、一人ひとりの期限は運行管理者が告示で確かめて入力してください。

機械に渡してはいけない判断の線引き

タクシー事業者には、ツールに渡してはいけない部分がはっきりあります。導入の前にここを決めておかないと、あとで大きな手戻りになります。

第一に、乗務させてよいかの判断です。運輸規則の第二十一条は、酒気を帯びた状態にある運転者や、疾病・疲労・睡眠不足その他の理由で安全に運行の業務を遂行できないおそれのある運転者を運行の業務に従事させてはならないとし、第四十八条は、点呼や乗務割の作成を運行管理者の業務としています。アルコール検知器の数値や体調の報告を並べるのは道具に任せても、その運転者を乗せるかどうかを決めるのは点呼をとる運行管理者です。道具に乗務の可否を判定させる作りにはしないでください。

第二に、事故の原因と再発防止の検討です。事故の記録の欄を埋めるよう促すのはよくても、何が原因で、どんな対策をとるかは、運転者から話を聞き、現場や記録を確かめた人が決めることです。道具に原因や対策の文面を作らせて、そのまま記録に入れる作りにはしないでください。

第三に、指導の中身と、勤務時間や乗務距離の当てはめです。指導監督や特別な指導で何をどう伝えるか、勤務時間と乗務時間を告示の基準にどう当てはめるか、どの営業所が指定された地域に入るかは、告示や地方運輸局の公示を人が確かめて決める判断です。道具には、人が決めた基準を入れて照らし合わせるところまでを任せてください。

第四に、運転者と乗客の情報の扱いです。台帳には運転者の住所と生年月日、免許証の番号、健康状態が、乗務記録には乗客が乗った区間が並びます。どれも外に出てはいけない情報の代表です。試作の段階では実在する運転者や乗客の情報を使わず、形だけ同じにしたダミーのデータで動かしてください。生成AIに何を入力してはいけないかの整理は生成AIに入力してはいけない情報の一覧に、漏えいを防ぐ社内ルールの作り方は情報漏えいを防ぐ社内ルールの作り方にまとめています。

運行管理者や事務の担当者が自分で作り始める進め方

「作れると言われても、プログラムを書いたことがない」という方がほとんどだと思います。実際のところ、いま非エンジニアが最初に越えるべきなのはプログラミングの壁ではなく、自分の困りごとを言葉で正確に説明するという壁です。Claude Codeのようなツールは、日本語で「乗務の前の点呼の行はあるのに、乗務の後の点呼の行がない乗務を、帰庫の予定の時刻を過ぎたら並べたい」と伝えれば、その通りに動くものを組み立ててくれます。

進め方としては、次の順番をおすすめしています。

  • 乗務ごとの表を最初に作る:一人の運転者の一回の乗務を軸に、乗務の前の点呼、出庫、乗務記録、帰庫、乗務の後の点呼までを一つの流れにそろえる。以降の抜き出しはすべてここから出す
  • いま使っている記録をそのまま材料にする:点呼の記録簿、検知器の出力、運転者の日報、運行記録計のデータ、台帳は、形式がばらばらのまま読ませる。運転者に新しい入力の型を押しつけない
  • 抜けているものを出すところまでにする:作ったその日から効くのは「点呼した人の欄が空いている行を、その日の終わりに並べる」といった機能です。乗務の可否や事故の原因の判断の方向には広げない
  • 本番の情報を入れる前に線引きを決める:試作はダミーのデータで動かし、実際の運転者や乗客の情報を通すのは、扱いの決まりを文書にしてからにする
  • 動いたら運行管理者と運転者に見せて、次を決める:机上で仕様を固めるより、動くものを1つ見せたほうが「月の初めに、免許の有効期限と六十五歳を迎える運転者と保存の期限をまとめて確かめたい」という次の要望が具体的に出てきます

この進め方を、自社の実際の業務を題材にして数日で一巡させるのが、AI CODEMYの研修の中身です。研修としての実施には人材開発支援助成金が使える場合があります。制度の要件や助成の内容は改正されることがあるため、生成AI研修に使える助成金の解説記事とIT導入補助金と研修の関係を確認のうえ、最新の情報は必ず所管の窓口でご確認ください。

まとめ:点呼から指導の記録までを道具に追わせる

本記事の要点を整理します。

  • タクシー事業者で時間を食っているのは、乗務の前と後の点呼、運転者ごとの乗務記録、乗務員等台帳と運転免許、事故の記録と指導監督という4か所
  • 点呼の記録は、運転者の一回の乗務ごとに前と後の行を持ち、点呼した人、方法、車の登録番号、アルコール検知器での確認まで残して、後の点呼の抜けを出す
  • 乗務記録は、乗車した区間と開始時・終了時の積算キロ数まで運転者ごとに書かせ、車ごとに整理して、数字のつながらない行を出す
  • 乗務員等台帳は運転者ごとに免許の有効期限と選任の日を持ち、運転者でなくなった日から台帳と乗務員証の保存の期限を別に数える
  • 事故の記録と指導監督を残し、死傷事故、新たな雇入れ、六十五歳以上といった特別な指導と適性診断の対象を運転者ごとに並べる
  • 乗務させてよいかの判断、事故の原因と再発防止、指導の中身と基準の当てはめ、運転者と乗客の情報の判断は、道具を入れても人の手元に残す

タクシーは、お客様を安全に目的地まで運ぶ運転者の仕事でありながら、乗務ごとの確認と記録を毎日くり返す業種です。そして、その確認と記録を見張る道具をいちばんうまく作れるのは、どの時間帯の点呼が抜けやすく、どの運転者の受診が遅れやすいかを知っている運行管理者や事務の担当者自身です。大きな運行管理のシステムの入れ替えを待つより、自分たちで小さく作って育てるほうが速く、そして安く済む段階に来ています。

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本記事の業務の切り分けは、営業所に運行管理者を置いて法人として営む一般的なタクシー事業者(一般乗用旅客自動車運送事業者)の、出庫前の点呼から乗務、帰庫、記録の整理までの業務の流れをもとにした整理です。本文中の規定は、e-Gov法令検索に掲載されている旅客自動車運送事業運輸規則の第二十一条、第二十二条、第二十四条、第二十五条、第二十六条、第二十六条の二、第三十六条、第三十七条、第三十八条、第四十八条を、2026年10月21日に確認しています。個人タクシー事業者やハイヤー、貸切バスなど事業の種類によって、記録の項目や保存の期間が異なる規定があります。自社の営業所が指定された地域に入るか、点呼の方法や特別な指導、適性診断の細かい要件は、告示や地方運輸局の公示によって定められています。自社への当てはめは、管轄の運輸支局や地方運輸局の窓口、専門家にご確認ください。制度の内容は改正されることがあります。助成金の要件・助成率も同様です。

執筆:AI CODEMY 編集部 / 最終更新:2026年10月21日