勤怠管理ツールを非エンジニアがClaude Codeで5日で内製する手順|集計を自動化する

勤怠管理ツールをClaude Codeで内製する流れを示すイメージイラスト

毎月の勤怠の締め作業は、担当者にとって地味に重い仕事です。打刻データを開き、遅刻や早退を目で拾い、残業時間を足し、有休の残りを突き合わせ、おかしな打刻を一件ずつ確認する——この繰り返しに半日以上かかっている会社も珍しくありません。本記事では、打刻データを渡すだけで集計と確認が必要な行の洗い出しを自動でこなす勤怠管理ツールを、非エンジニアがClaude Codeで内製する手順をハンズオン形式で解説します。プログラミングの知識は前提にしません。研修の5日間で、自社の実データを使って本番運用に届くところまで作り切るイメージです。

勤怠管理ツールの処理の流れ
図:勤怠管理ツールの処理の流れ

なぜ勤怠集計を内製するのか

勤怠の集計は、毎月必ず発生し、正確さが求められ、しかもルールがはっきりしている業務です。手作業で回そうとすると、次のような困りごとが積み重なります。

  • 打刻データを開いて、遅刻・早退・残業を毎回目で拾っている
  • 打刻の抜けや二重打刻など、確認が必要な行を見つけるのに時間がかかる
  • 残業や有休の計算を電卓や手作業でしていて、転記ミスが起きる
  • 締め作業が特定の担当者に集中し、その人が不在だと月次が止まる

これらは「決まったルールに沿って数える・突き合わせる」作業なので、ツール化にとても向いています。市販の勤怠システムを導入する手もありますが、自社の就業ルールや集計の慣習に合わせようとすると設定が複雑になりがちで、月額費用も積み上がります。すでに集めている打刻データを整理・集計するだけなら、Claude Codeで小さく内製したほうが、自社のやり方にぴったり合い、運用の主導権も社内に残せます。定型作業を自動化する考え方は繰り返し作業を自動化する進め方でも整理しています。なお、労働時間の管理や割増賃金の計算には法令上のルールがあります。本ツールは集計を助ける道具であって、最終的な確認と法令順守の判断は人事・労務の担当者が行う前提で読み進めてください。

作るツールの全体像

今回作るのは、打刻データを受け取り、社員ごと・日ごとの状態を判定して月次の集計と要確認リストを出力する小さなツールです。流れは次のとおりです。

  • 入力:社員名・日付・出勤時刻・退勤時刻・区分(出勤/有休など)が並んだ表計算ファイルを受け取る
  • 判定:所定の勤務時間と照らして、遅刻・早退・残業・欠勤などを日ごとに判定する
  • 要確認の抽出:打刻の抜け、退勤が出勤より前、深夜にまたがる勤務など、人が確認すべき行を拾い上げる
  • 出力:社員ごとの月次集計表と、要確認リスト、そして要点をまとめた短い報告文を書き出す

数える・突き合わせる部分は正確さが命なので機械的に処理し、「どの行を先に確認すべきか」「今月はどこに注意が必要か」をまとめる部分でAIの読解力を活かす——この役割分担が肝心です。最初は数人・一週間分に絞って動かし、集計が正しく出ることを確かめてから対象を広げると無理なく進められます。表計算データの扱いは表計算の定型作業を自動化するツールの作り方と共通点が多く、あわせて読むと理解が深まります。

用意するもの

準備するのは次の3つだけです。特別な開発環境は必要ありません。

  • Claude Code:指示を出すと、必要なファイルを自動で作ってくれます。導入手順はClaude Codeのはじめ方を参照してください。
  • 打刻データのファイル:社員名・日付・出勤時刻・退勤時刻・区分を列にした表計算ファイルを用意します。既存のタイムカードや勤怠システムから書き出したもので構いません。一か月分あると集計の検証がしやすくなります。
  • 就業ルールのメモ:所定の始業・終業時刻、休憩の扱い、残業の起点、遅刻・早退の定義など、自社のルールを箇条書きにしておきます。ここが曖昧だと集計もぶれるため、最初にきちんと言語化しておくと、Claude Codeに意図が正確に伝わります。

勤怠データには氏名や勤務状況といった個人情報が含まれます。取り扱いは社内ルールに沿って慎重に行ってください。業務でAIを安全に使う考え方は業務AI利用時の情報漏えい対策で解説しています。人事・労務の領域でのより広い活用は人事・労務の生成AI活用もあわせてご覧ください。

Claude Codeへの指示と5日間の進め方

ここからは、実際にClaude Codeへ出す指示の流れを、研修でよく取る5日間の進め方に沿って見ていきます。専門用語は使わず、ふだんの言葉で頼むのがコツです。

1日目:目的と入出力を伝える。「この打刻データから、遅刻・早退・残業を集計するツールを作りたい」と目的を伝え、実際のデータファイルを渡します。どの列が日付・出勤時刻・区分かを説明し、就業ルールのメモも一緒に渡すと、Claude Codeが土台のファイルを作ってくれます。

2日目:判定ルールを固める。まずは日ごとの判定が正しく出るかを確かめます。自分でいくつかの日を選び、「この日は遅刻15分、残業30分」といった手計算と突き合わせて検算します。合っていれば次へ、ずれていれば「休憩1時間を差し引いていない」「日をまたぐ夜勤の扱いが違う」と具体的に伝えれば修正できます。集計は正確さが何より大切なので、ここは念入りに確かめましょう。

3日目:要確認リストを足す。判定が固まったら、「打刻の抜けや、退勤が出勤より前になっている行を、要確認として別に並べて」と頼みます。異常な行を拾うのはAIが得意な作業です。出てきたリストを読み、実際のデータと照らして妥当かを確認します。締め作業でいちばん時間を食う「おかしな打刻探し」が、これでぐっと楽になります。

4日目:月次集計と報告文に整える。日ごとの判定と要確認リストがそろったら、社員ごとの月次集計表にまとめます。「出勤日数・残業合計・有休取得日数を社員ごとに並べて、冒頭に今月の要点を短くまとめて」と頼めば、共有しやすい形に整います。人事や上長に渡すことを想定し、見出しや並び順も言葉で調整しましょう。

5日目:本番のデータで通しで回す。最後に、実際の一か月分のデータで最初から最後まで通して動かし、結果を既存のやり方と照合します。問題なく一致したら、操作の流れをメモに残しておきましょう。次回からはデータを差し替えるだけで締め作業が回ります。日々の記録を残す仕組みづくりは日報ツールの作り方、勤務シフトの組み方はシフト作成ツールの作り方も参考になります。

つまずきやすい点と回避策

はじめて内製する方が引っかかりやすいポイントを、先回りしてお伝えします。

就業ルールを曖昧なまま渡すこと。「残業はいつから」「休憩をどう差し引くか」が人によって解釈が違うと、集計もぶれます。まず社内のルールを文章で確定させ、それをそのままClaude Codeに渡すのが近道です。ルールが決まっていない部分は、この機会に人事・労務と擦り合わせておきましょう。

集計結果を検算せずに信じること。便利だからと出てきた数字をそのまま使うのは危険です。特に導入初期は、数人分を手計算と突き合わせて、判定ロジックが正しいことを必ず確かめてください。一度正しさを確認できれば、以降は安心して回せます。

法令の判断までツールに委ねること。労働時間の上限や割増賃金には法令上のルールがあり、会社ごとの事情も絡みます。本ツールは集計を速く正確にする道具であって、法令順守の最終判断は人が担う必要があります。「数えるのはツール、判断は人」と位置づけるのが安全です。

まとめ:数えるのは機械に、判断は人に

本記事の要点を整理します。

  • 勤怠集計は毎月必ず発生し、ルールが明確なため内製に向いた業務
  • 作るのは「入力→日ごとの判定→要確認の抽出→月次集計」の小さなツール
  • 用意するのはClaude Code・打刻データ・就業ルールメモの3つだけ
  • 就業ルールを先に言語化し、集計結果は必ず手計算で検算する
  • 法令にかかわる最終判断は人が担い、ツールは集計を助ける役割に絞る

数える・突き合わせる作業は機械に任せ、確認や法令順守の判断は人が担う——この役割分担を押さえれば、毎月の締め作業は大きく軽くなります。市販システムの導入費用をかける前に、まずは自社の打刻データをClaude Codeに渡すところから始めてみてください。内製を支える助成金の使い方は生成AI研修に使える助成金で解説しています。

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執筆:AI CODEMY 編集部 / 最終更新:2026年7月1日