完成形のイメージ:メモを入れると日報が出てくる
最初に、これから作るものの完成形をはっきりさせましょう。今回作るのは、次のような道具です。
- 入力:その日の作業メモ(走り書きでOK)、カレンダーの予定一覧、必要ならチャットのやり取りの抜粋
- 処理:材料を読み取り、会社の日報フォーマット(今日やったこと・明日やること・課題など)に沿って整理する
- 出力:そのまま提出できる形の日報。1週間分の日報がたまったら、週報も自動でまとめる
ポイントは、AIに「文章を考えさせる」のではなく「材料を所定の形に整理させる」ことです。事実は自分のメモにすべて入っているので、AIの仕事は並べ替えと要約だけ。だから内容が正確で、確認も一目で済みます。日報のAI自動作成と聞くと大げさに感じるかもしれませんが、実体は「毎日くり返している清書作業の自動化」です。こうした定型業務の自動化全般の考え方は、定型業務をAIで自動化する進め方で整理しています。
必要な準備:フォーマットと材料を集める
作り始める前に、3つだけ準備します。逆に言えば、これだけで始められます。
- 日報のフォーマット:いま提出している日報の実物を1〜2通。項目名(今日の業務、所感、明日の予定など)が分かればOKです。
- 材料のサンプル:ある1日の作業メモ、カレンダーの予定をコピーしたもの、チャットの抜粋など、実際に手元に残るものを1日分。
- Claude Codeが動く環境:パソコンにClaude Codeを入れておきます。導入手順はClaude Codeで業務ツールを作る5ステップで解説しているとおり、特別な開発環境は必要ありません。
研修の現場でよくお伝えするのは、「材料は理想形ではなく、ふだんの汚いメモのまま用意してください」ということです。きれいなサンプルで作ると、本番の走り書きで動かないツールができてしまいます。現実のままの材料が、いちばん良い設計図になります。
作る手順:Claude Codeへの指示例つき
準備ができたら、Claude Codeに日本語で指示していきます。コードを書く必要はありません。ステップごとに、そのまま使える指示の例文を載せます。
ステップ1:フォーマットを覚えてもらう
まず、ゴールである日報の形をAIに教えます。実物を見せるのが一番確実です。
「このフォルダにある日報のサンプルを読んで、フォーマットの項目と書き方のルールを整理して。今後このフォーマットで日報を作ってもらいます」
AIが整理した項目を見て、「所感は3行以内」「敬体で書く」など、暗黙のルールがあれば言葉で追加します。
ステップ2:材料から日報を作る仕組みを頼む
次に、ツール本体を作ってもらいます。入力と出力をはっきり伝えるのがコツです。
「『メモ』フォルダにその日の作業メモやカレンダーの予定、チャットの抜粋を入れておくので、それを読み取って、さっきのフォーマットの日報を作るツールを作って。日報は『日報』フォルダに日付つきのファイル名で保存して。メモにない出来事は書かず、足りない項目は空欄のまま『要確認』と入れて」
「メモにないことは書かない」という一文が重要です。これを入れておくと、AIが事実を創作する心配を最初から防げます。
ステップ3:週報のまとめ機能を足す
日報ができたら、週報はその上に重ねるだけです。
「『日報』フォルダにある今週分の日報を読んで、週報フォーマットにまとめる機能を追加して。週報は、今週の主な成果・進行中の案件・来週の予定・課題の4項目。同じ案件の記述は1つにまとめて、日付順に経過が分かるようにして」
週報を月曜にゼロから書く作業が、「1週間分の日報を自動で束ねて確認するだけ」に変わります。
動かして直す:実際の1日分で試す
ツールは一発では完成しません。むしろ「動かして直す」ここからが本番です。まず、準備しておいた実際の1日分の材料で日報を作らせてみます。出てきた日報を読んで、違和感をそのまま言葉で伝えます。
「打ち合わせの予定が『今日やったこと』に入っているけど、キャンセルになった会議だった。カレンダーの予定のうち、メモに登場しないものは『実施を確認できず』として分けて」
このように、起きた事実を伝えるだけで修正が進みます。受講者がつまずきやすいのは、最初の出力がいまひとつだった時点で「やっぱり無理だ」とやめてしまうことです。実際には2〜3往復の修正で見違えるほど実用的になります。直す往復まで含めて「作る作業」だと考えてください。
確認の観点は3つで十分です。事実が合っているか、フォーマットが守られているか、勝手な創作がないか。数日続けて試し、毎回同じ間違いが出るなら、それをルールとして言葉で追加すれば再発しなくなります。
運用のコツ:週報は日報の自動まとめにする
完成後に長く使い続けるためのコツは3つあります。
- メモの置き場所を1か所に決める:「このフォルダに放り込めば日報になる」という導線が単純なほど、習慣として定着します。
- 提出前に必ず自分の目で読む:AIの出力は下書きと位置づけ、最終確認は人が行います。事実の報告書である以上、ここは省略しないのが鉄則です。
- 週報・月報へ段階的に広げる:日報という「正確な一次記録」が毎日たまる仕組みさえできれば、週報も月報もその自動まとめとして安く作れます。報告のピラミッドの土台が日報です。
また、日報には数値報告(売上、件数など)が含まれることもあります。数値の集計まで自動化したい場合は、表データの扱いが中心になるため、スプレッドシート自動集計ツールの作り方が次のステップとして役立ちます。
まとめ:清書をやめて、確認だけにする
本記事の要点を整理します。
- 日報のAI自動作成は「文章の創作」ではなく「材料の清書作業の自動化」
- 準備は日報フォーマットの実物と、ふだんのままの作業メモ1日分だけ
- 作る手順は「フォーマットを教える→材料から作らせる→週報まとめを足す」の3ステップ
- 「メモにないことは書かない」の一文で創作を防ぎ、提出前の確認は人が行う
- 日報がたまる仕組みができれば、週報・月報は自動まとめで済む
毎日の清書に使っていた時間を、確認の数分に変える。その変化は、最初の1本のツールを作ったその週から始まります。
日報のような「毎日の定型作業」を自分でツール化したい方へ
AI CODEMY は、5日間で社員が自分の業務課題を解決するツールを完成させる法人向け実践研修です。まずは無料相談で、御社の課題に合うか確かめてください。
無料相談(30分)


