人事業務をClaude Codeで効率化|採用・労務の自動化例

人事の定型業務をClaude Codeで自動化するイメージ

採用がピークの時期は、応募者情報の転記や日程調整の連絡だけで一日が終わってしまう——人事担当者からよく聞く悩みです。結論から言うと、こうした定型業務の多くは、生成AIの一種であるClaude Codeに言葉で指示するだけで自動化できます。本記事では、人事部門の生成AI活用としてそのまま使える自動化の例を5つ、AIへの指示の例文つきで紹介します。あわせて、始め方の手順と、人事だからこそ欠かせない個人情報の取り扱いの注意点まで解説します。プログラミングの知識は不要です。

人事の定型業務5つをClaude Codeで自動化する流れ(最終確認は人)
図:人事の定型業務5つをClaude Codeで自動化する流れ(最終確認は人)

人事業務こそ生成AI活用の効果が出やすい理由

結論から言うと、人事は社内でも特に生成AIの活用効果が出やすい部門です。理由は、人事の仕事の多くが「形式は決まっているのに、毎回中身が少しずつ違う」業務だからです。応募者ごとに内容の違う書類、入社者ごとに変わる手続き、毎回設問の違うアンケート。単純なマクロでは対応しきれず、かといって人がやるには時間がかかりすぎる——この中間地帯こそ、文章とデータの両方を扱える生成AIの得意領域です。

Claude Codeは、Anthropic社のAI「Claude」に言葉で指示すると、ファイルの処理や表の作成、簡単な業務ツールづくりまで対話で進めてくれるツールです。チャット型のAIと違い、手元のExcelやCSV、フォルダの中のファイルを直接扱えるのが特徴で、人事が日々向き合う「ファイルとリストの山」と相性が良いのです。人事以外も含めた部門別の事例はAIで作れる業務ツールの実例9つにまとめているので、全体像をつかみたい方はあわせてご覧ください。

Claude Codeで自動化できる人事の定型業務5つ

ここからは、人事の現場でよくある定型業務を5つ取り上げ、それぞれClaude Codeでどう自動化するかを、実際にAIへ伝える指示の例文つきで紹介します。例文は自社の状況に合わせて言い換えて使ってください。

1. 応募者情報の整理

求人媒体ごとにバラバラの形式でダウンロードされる応募者データを、1つの管理表に手作業で転記する——採用担当の代表的な消耗業務です。Claude Codeなら、ファイルを渡して次のように頼むだけで統合できます。

「求人媒体からダウンロードした応募者CSVが3種類あります。氏名・応募日・応募職種・選考ステータスの列に統一して、1つの管理表にまとめてください。同じ人が複数媒体から応募している場合は印を付けてください」

一度この処理の仕組みを作ってもらえば、翌週からはファイルを置いて実行するだけになります。さらに選考ステータスの更新や面接評価の記録まで一元化したい場合は、採用応募者管理ツールの作り方で手順を詳しく解説しています。

2. 面接日程調整の下準備

面接官の空き時間と候補者の希望日時を突き合わせる作業は、人数が増えるほど組み合わせ地獄になります。Claude Codeに両方のリストを渡せば、候補日の組み合わせ表と案内メールの下書きまで一気に用意できます。

「面接官3名の空き枠一覧と、候補者5名の希望日時一覧を渡します。全員分の面接候補日を割り当てた表を作り、候補者ごとに日程案内メールの下書きも作成してください。社名と面接形式(オンライン)は本文に入れてください」

送信そのものは人が確認してから行う前提でも、「考えて組む」部分がなくなるだけで負担は大きく減ります。

3. 入社手続きチェックリストの自動生成

入社手続きは、雇用形態や入社日によって必要な書類・手配が微妙に変わるため、抜け漏れが起きやすい業務です。自社の手続き一覧を一度Claude Codeに覚えさせれば、入社者ごとのチェックリストを自動で作れます。

「当社の入社手続き一覧(正社員用・契約社員用)を渡します。来月入社する3名の氏名・雇用形態・入社日のリストから、1人ずつ期限つきのチェックリストを作ってください。入社日の2週間前までに済ませる項目を上に並べてください」

4. 労務書類の確認補助

従業員から提出される書類の記入漏れチェックや、届出の期限管理も、定型なのに神経を使う仕事です。Claude Codeには「確認の一次スクリーニング」を任せられます。

「このフォルダにある提出書類のファイル名と中身を確認して、必須項目が空欄のもの、記載内容がリストと食い違うものを一覧にしてください。問題のない書類はOKフォルダに移動してください」

注意したいのは、労務書類は法令に関わるため、AIの指摘はあくまで下調べと捉え、最終判断は必ず担当者が行うことです。それでも「全件を人が目視する」状態から「AIが挙げた要注意分だけ人が見る」状態に変わるだけで、確認時間は大幅に短縮できます。

5. 社内アンケート集計

エンゲージメント調査や研修後アンケートの自由記述欄は、読むだけで何時間もかかります。Claude Codeなら、分類・集計・要約までまとめて任せられます。

「社内アンケートの回答CSVを渡します。自由記述をテーマ別に分類して件数を集計し、テーマごとに代表的な意見を3つずつ引用した報告書の下書きを作ってください。ネガティブな意見も省略せず含めてください」

研修の現場でも、人事の受講者が最初に作るツールとして選ぶことが多いのがこのアンケート集計です。個人を特定する情報を含まないデータで試せるため、最初の練習台としてちょうどよいのです。

人事部門での始め方(3ステップ)

始め方はシンプルで、次の3ステップをおすすめしています。

  • ステップ1:繰り返し業務を書き出す——毎週・毎月くり返している作業を10個ほど書き出します。「どのファイルを開いて、何をして、どこに出すか」まで書けると、そのままAIへの指示になります。
  • ステップ2:個人情報を含まない業務から1つ選ぶ——最初の1本は、匿名化済みのアンケート集計や、自分用のチェックリスト生成など、個人情報リスクのない題材を選びます。
  • ステップ3:状況をそのまま言葉で伝える——完璧な指示を考える必要はありません。「このファイルがあって、毎回こうしていて、こうなったら嬉しい」と説明し、出てきた結果に「ここが違う」と返しながら仕上げます。

研修でつまずきやすいのは、最初から「採用管理システムを丸ごと作ろう」と大きく構えてしまうケースです。小さな1業務に絞るほど早く完成し、成功体験が次の自動化につながります。作る手順の全体像はClaude Codeで業務ツールを作る5ステップで詳しく解説しています。

個人情報の取り扱いで必ず守ること

人事の生成AI活用で絶対に外せないのが、個人情報の扱いです。応募者・従業員のデータは個人情報保護法の対象であり、「便利だから」と無造作にAIへ渡してよいものではありません。最低限、次の4点を守ってください。

  • 会社のAI利用ルールを先に確認する——AIへの入力が許されるデータの範囲を、情報システム部門や法務と確認してから始めます。ルールがまだ無い場合は、利用範囲を決めてから着手します。
  • 渡すデータを最小限にする——氏名を社員番号や仮名に置き換える、不要な列を削ってから渡すなど、業務に必要な最小限の情報だけを扱います。多くの作業は実名がなくても成立します。
  • 学習に使われない設定・契約を確認する——法人利用では、入力データがAIの学習に使われない設定やプランを選ぶことが前提です。利用しているプランの規約を必ず確認してください。
  • 出力の保存先とアクセス権を決める——AIが作った応募者一覧なども個人情報です。保存先のフォルダとアクセスできる人を、元データと同じ基準で管理します。

裏を返せば、この4点を整えてしまえば、人事は安心して自動化を進められます。「ルールがないから禁止」で止めるのではなく、ルールを作って活用に進むことが、これからの人事部門の競争力になります。

まとめ:人事の定型業務は「言葉で指示」して手放せる

本記事の要点を整理します。

  • 人事は「形式は定型、中身は毎回違う」業務が多く、生成AI活用の効果が出やすい部門
  • 応募者整理・日程調整・入社手続き・労務確認・アンケート集計は、Claude Codeへの言葉の指示で自動化できる
  • 最初の1本は、個人情報を含まない小さな業務から始めるのが成功のコツ
  • 個人情報は「ルール確認・最小化・学習利用の確認・保存先管理」の4点を必ず守る
  • 労務など法令に関わる確認は、AIを下調べ役にして最終判断は人が行う

採用も労務も、本来の仕事は「人と向き合うこと」のはずです。転記と集計をAIに手放して、その時間を取り戻すところから始めてみてください。

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執筆:AI CODEMY 編集部 / 最終更新:2026年3月20日