業務マニュアル・手順書を自動生成するツールを非エンジニアがClaude Codeで内製する手順|非エンジニア向け

ベテランの操作メモや口頭説明から手順書の下書き作成・抜けの指摘・用語の統一・更新履歴の管理までをClaude Codeで内製する流れを示すイメージイラスト

「あの作業は、あの人しかできない」「マニュアルはあるが、三年前の画面のまま止まっている」——業務の手順書は、必要性が誰の目にも明らかな一方で、作る時間も更新する時間も取れないまま放置されがちです。担当者が辞める・異動すると、手順は口頭とメモの断片だけが残り、引き継ぎのたびに同じ質問が繰り返される。この属人化が、日々の業務を止めるリスクになっていきます。本記事では、ベテランの操作メモや口頭説明をそのまま渡すと、手順を番号付きで整理したマニュアルの下書きを作り、抜けの指摘・用語の統一・更新履歴の管理までを一つにまとめた手順書作成ツールを、非エンジニアがClaude Codeで内製する手順をハンズオン形式で解説します。プログラミングの知識は前提にしません。

手順書作成ツールが操作メモの入力から手順の整理・抜けの指摘・用語の統一・更新履歴の記録までを行う処理の流れ
図:手順書作成ツールが操作メモの入力から手順の整理・抜けの指摘・用語の統一・更新履歴の記録までを行う処理の流れ

なぜマニュアル作成を内製で支援するのか

手順書づくりが進まない理由は、書く中身が分からないからではありません。頭の中にある手順を、他人が読んで再現できる形に整える作業が重いからです。現場では次のような困りごとが起きがちです。

  • ベテランは手順を体で覚えており、いざ書き出すと途中の判断や例外が抜け落ちる
  • 手順のメモはあるが、箇条書きと走り書きが混在し、初めての人が読んでも順番をたどれない
  • 部署ごとに呼び方が違い、同じ画面や書類が別の用語で書かれていて混乱する
  • 業務が変わっても手順書が更新されず、どれが最新か分からないまま使われ続ける

この作業は「持っている情報を、決まった形にそろえて書き直す」性質が強く、下書きの自動化と相性の良い領域です。マニュアル作成のサービスも便利ですが、自社の呼び方や書式に合わせようとすると細かな調整が効きにくいことがあります。自社の用語と手順書の書式をそのまま反映し、手元で下書きと更新を軽く回せるのが内製の強みです。定型作業を見極めて自動化する考え方は繰り返し作業を自動化する進め方でも整理しています。手順書が整うと引き継ぎだけでなく内製したツールの維持にも効いてきます。この観点は内製ツールを継続的に運用する方法もあわせてご覧ください。

作るツールの全体像

今回作るのは、担当者の頭にある手順を受け取り、読める形の手順書に整え、抜けを指摘し、更新の履歴を残す小さなツールです。流れは次のとおりです。

  • 入力:操作メモ・口頭説明の書き起こし・箇条書きの断片を、ふだんの言葉のまま渡す
  • 手順の整理:自社の手順書の書式に沿って、作業を番号付きの手順に並べ直し、各手順に目的と操作を書き分ける
  • 抜けの指摘:前の手順から次の手順へ話が飛んでいる箇所、判断の条件が書かれていない箇所を一覧で示す
  • 用語の統一:同じ書類や画面が別の呼び方で書かれている箇所を見つけ、自社の用語集に合わせてそろえる
  • 更新履歴の記録:手順書名・対象業務・更新日・変更点・担当者を一覧に書き出し、どれが最新か分かるようにする

大切なのは、「自社の手順書の書式」と「用語集」を最初に決めて渡しておくことです。手順の粒度や見出しの付け方は会社ごとに違うため、実際に使われている良い手順書を見本として渡し、ツールに勝手な書式を作らせないことが肝心です。最初は手順の整理と抜けの指摘だけを対象にして動かし、慣れてから用語の統一や更新履歴の記録を足していくと無理なく進められます。作業日報のような日々の記録から手順を拾い上げたい場合は日報作成ツールの作り方の考え方も参考になります。

用意するもの

準備するのは次の3つだけです。特別な開発環境は必要ありません。

  • Claude Code:指示を出すと、必要なファイルを自動で作ってくれます。導入手順はClaude Codeのはじめ方を参照してください。
  • 実際に使われている良い手順書(数件):見出しの付け方・手順の粒度・注意書きの書き方が分かる手本を数件用意すると、Claude Code が自社の書式を正確につかめます。
  • 用語集と元になる手順のメモ:自社での書類や画面の正式な呼び方を書き出し、あわせて対象業務の操作メモや口頭説明の書き起こしを用意しておくと、意図が正確に伝わります。

手順書には、取引先名・社内システムの画面構成・承認の権限といった、社外に出せない情報が含まれます。試す段階でも社内の管理ルールに沿って扱い、社外に出さない環境で作業してください。金額の基準・承認の権限・保管年数といった決まりごとは、ツールに推測で埋めさせず、必ず社内規程で確認した内容をそのまま使う設計にしておくと安全です。業務でAIを安全に使う考え方は業務AI利用時の情報漏えい対策で解説しています。

Claude Codeへの指示と作成手順

ここからは、実際にClaude Code へ出す指示の流れを順番に見ていきます。専門用語は使わず、ふだんの言葉で頼むのがコツです。

第一段階:やりたいことと自社の書式を伝える。「担当者の操作メモを渡すと、自社の書式で手順書の下書きを作りたい」と目的を伝え、実際に使われている良い手順書を数件渡します。「見出しの付け方はこの見本に合わせて」「一つの手順には一つの操作だけ書いて」と、そろえてほしい形も一緒に伝えると、Claude Code が土台のファイルを作ってくれます。

第二段階:抜けの指摘の観点をそろえる。下書きができたら、「前の手順から次の手順へ話が飛んでいる箇所を教えて」「『場合によって』と書かれている箇所は、条件が明示されているか確認して」と、確認の観点を渡します。分からない部分を勝手に想像で埋めず、どこが未確認かを一覧で示してほしい、と頼んでおくと、実態と違う手順書ができるのを防げます。指摘された箇所は担当者に聞いて埋める、という往復で精度が上がっていきます。

第三段階:用語の統一を足す。手順の整理と指摘が安定したら、用語集を渡して「同じ書類や画面が別の呼び方で書かれている箇所を見つけて、用語集の呼び方にそろえて」と頼みます。用語集にない呼び方が出てきた場合は、勝手に決めずに候補として挙げてもらい、どれを正式名称にするかは担当者が決める形にしておきましょう。部署をまたぐ手順書ほど、この工程が読みやすさを大きく左右します。人事や労務の手順を整えたい場合は人事担当が内製する集計とFAQボットの作り方も参考になります。

第四段階:更新履歴の一覧に育てる。整理が安定したら、「手順書名・対象業務・更新日・変更点・担当者を一覧に書き出したい」「手順書を直したら、既存の一覧に追記する形にしたい」といった要望も言葉で伝えれば調整できます。どれが最新か・いつ誰が何を変えたかが一覧で見えれば、古い手順書がそのまま使われる事故を減らせます。完成したら操作の流れをメモに残しておくと、次回からはメモを差し替えるだけで下書きと確認が回ります。マニュアル整備を人材育成につなげたい場合は社内AI人材の育て方もあわせてご覧ください。

つまずきやすい点と回避策

はじめて内製する方が引っかかりやすいポイントを、先回りしてお伝えします。

知らない手順を、それらしく埋めてしまうこと。メモに書かれていない工程を、文章を整える流れで一般的な手順に置き換えられると、読んだ人が実際とは違う操作をしてしまいます。これは手順書として最も危ない失敗です。「メモにない工程は書かず、未確認として一覧に出す」よう指示し、指摘された箇所は担当者に確認して埋めてください。書ける範囲だけ書き、分からない部分は空欄のまま残すのが正しい進め方です。

規程で決まっている数値や権限を推測させてしまうこと。承認が必要な金額の基準・書類の保管年数・誰が承認できるかといった決まりごとは、社内規程や法令に紐づきます。ツールに一般論で補わせると、実態と食い違ったまま手順書として定着してしまいます。これらは社内規程の記載をそのまま渡し、確認できないものは書かせない設計にしてください。稟議や承認の流れそのものを整えたい場合は稟議・承認フローを効率化するツールの作り方も参考になります。

作って終わりにして、更新が止まること。手順書は、業務が変われば古くなります。作った直後は正確でも、半年後に誰も直していなければ、また同じ属人化に戻ります。更新履歴の一覧に「次回の見直し時期」と担当者を書いておき、業務が変わったタイミングで手順書を直す担当を決めておきましょう。こうして手順を一度固めておけば、あとはメモを差し替えるだけで使い回せるのが内製の利点です。

まとめ:知らないことは書かせず、整える手間はツールに

本記事の要点を整理します。

  • 手順書づくりは、頭の中の手順を他人が再現できる形に整える部分に時間がかかる業務課題
  • 作るのは「操作メモの入力→手順の整理→抜けの指摘→用語の統一→更新履歴の記録」の小さなツール
  • 用意するのはClaude Code・実際に使われている良い手順書・用語集と元のメモの3つだけ
  • メモにない工程は書かせず、未確認として一覧に出させて担当者が確認して埋める
  • 金額の基準や承認の権限は社内規程の記載どおりに使い、次回の見直し時期と担当者を決めて更新を止めない

知っていることを人が渡し、それを読める形に整える手間はツールに任せる——この役割分担を押さえれば、手順書は「作る時間が取れない」状態から「メモを渡せば下書きができる」運用へ近づきます。まずは実際に使われている良い手順書を数件、Claude Code に渡すところから始めてみてください。研修費用を助成金で抑えながら内製人材を育てる進め方は生成AI研修に使える助成金で解説しています。

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執筆:AI CODEMY 編集部 / 最終更新:2026年7月17日