在庫アラートツールをAIで作る手順|欠品と過剰を自動で知らせる

在庫データから欠品しそうな商品と過剰在庫を自動で知らせるイメージ

在庫表を毎朝開いて、減ってきた商品はないか、逆に動かず積み上がっている商品はないかを目で追う——この見回りは、商品数が増えるほど時間がかかり、見落とせば欠品や過剰在庫につながります。結論から言うと、在庫データを読み込ませると「発注したほうがよい商品」「滞留している商品」を自動でリストアップしてくれるアラートツールは、プログラミング未経験でもClaude Codeとの対話だけで作れます。本記事では、完成形のイメージから指示例文、毎日の運用への組み込み方まで、見ながらそのまま作れる手順で解説します。

在庫データを判定ルールに照らして要発注リストと滞留リストを出力する流れ
図:在庫データを判定ルールに照らして要発注リストと滞留リストを出力する流れ

完成形のイメージ:何ができるツールか

まず、これから作るツールの動きを具体的にします。完成するのは「在庫の一覧を読み込ませると、注意すべき商品を自動でリストにするツール」です。

  • 入力:在庫の一覧データ(在庫管理システムや販売管理から書き出したCSV、Excelなど)
  • 処理:商品ごとに、判定ルール(在庫数のしきい値、最近の出荷ペースなど)と照らし合わせ
  • 出力:「発注を検討すべき商品(欠品リスク)」と「動いていない商品(過剰・滞留)」の2つのリスト

大事なのは、このツールの役割が「発注を自動で実行すること」ではなく「人が判断すべき商品を毎朝先に絞り込むこと」だという点です。機械的に見つけられる注意サインをツールが洗い出し、人は発注量や仕入れ先の判断に集中する。この分担にすると、見回りの時間が減るだけでなく、見落としによる欠品も防ぎやすくなります。

必要な準備:在庫データと判定ルール

準備するものは3つです。いずれも手元にあるもので始められます。

  • 在庫一覧のサンプルデータ:実際の在庫一覧をCSVやExcelで1ファイル用意します。商品名・現在の在庫数・直近の出荷数などの列があると、より精度の高い判定ができます。
  • 判定ルールの箇条書き:「どうなったら知らせてほしいか」を日本語で書き出します。例:「在庫数が10個を下回ったら要発注として知らせる」「直近30日まったく出ていない商品は滞留として知らせる」「出荷ペースから計算して、在庫が2週間分を切ったら知らせる」。しきい値は自社の実情に合わせて決めます。
  • Claude Codeが使える環境:導入済みであればそのまま、まだの方は先にセットアップしておきます。

このうち最も重要なのが「判定ルールの箇条書き」です。研修の現場でよくあるのが、発注のタイミングが担当者の勘の中にしかなく、書き出してみると人によって基準が違っていた、というケースです。ツール化は、暗黙の発注基準をチームで共有する良い機会にもなります。

作る手順:指示例文をそのまま使う

準備ができたら、Claude Codeとの対話でツールを組み立てます。指示例文はそのまま使えるように書いてあります。

手順1:ツールの全体像を伝える

「在庫アラートのツールを作ってください。在庫の一覧CSVを読み込んで、発注を検討すべき商品と、動いていない滞留商品を、それぞれリストで知らせるものです。判定ルールはこのあと渡します。」

最初の指示は、この程度のざっくりさで問題ありません。詳細は対話で詰めていきます。

手順2:データの形とルールを渡す

「このCSVが在庫一覧のサンプルです。列の意味は、商品コード、商品名、現在の在庫数、直近30日の出荷数です。判定ルールは次のとおりです。(1)在庫数が10を下回る商品は『要発注』(2)直近30日の出荷数が0の商品は『滞留』(3)出荷ペースから在庫が2週間分を切る商品は『要発注』。」

ポイントは、列の意味とルールを「自分の言葉で全部書く」ことです。しきい値(10個、30日、2週間など)は、必ず自社の実情の数字に置き換えてください。Excelデータの加工をAIに任せる考え方は表計算の集計を自動化するツールを作る手順も参考になります。

手順3:結果の見せ方を指定する

「結果は『要発注リスト』と『滞留リスト』の2つの表に分けてください。要発注リストの列は、商品コード、商品名、現在の在庫数、推定の在庫切れ目安、理由。滞留リストの列は、商品コード、商品名、在庫数、最終出荷からの日数、にしてください。」

「なぜそのリストに入ったか(理由)」まで出してもらうのがおすすめです。判定の根拠が添えられていると、発注担当が確認するときの判断がそのまま進みます。

手順4:実行して結果を確認する

「サンプルのCSVでこのツールを実行して、2つのリストを見せてください。」

ここまでで最初の試運転です。この「課題を選ぶ→言葉で仕様を伝える→動かす」という流れの考え方は、Claude Codeで業務ツールを作る5ステップで体系的に整理しています。

動かして直す:現場の感覚に合わせる

サンプルで動いたら、実際の在庫データで試します。最初は、知らせすぎ・知らせ漏れの両方が出るはずです。それを言葉で直していきます。

「季節商品は判定を分けたいです。商品名に『冬』を含む商品は、いまの時期は滞留として扱わないでください。」
「仕入れに時間がかかる商品は早めに知らせたいので、商品コードがAから始まるものは、在庫が3週間分を切った時点で要発注にしてください。」

このように、実際の在庫には季節性や仕入れリードタイムといった現場ならではの事情が必ずあります。それを1つずつ対話で教えていく工程が、ツールを「自社の現実」に合わせる作業そのものです。あわせて、わざと在庫を減らしたテストデータで「ちゃんとアラートが出るか」を確認しておくと、本番投入が安心になります。小売の現場でのClaude Code活用は小売業のClaude Code活用例でも紹介しています。

運用のコツ:毎日の定例チェックにする

ツールが安定したら、運用に組み込みます。コツは3つです。

  • 実行タイミングを決める:「毎朝、最新の在庫データを書き出してツールを実行し、2つのリストを確認する」のように、朝の定例作業にしてしまうのが定着の近道です。定型作業を習慣に変える考え方は繰り返し作業を自動化する進め方で整理しています。
  • 発注の最終判断は人が行う:ツールのリストはあくまで候補です。実際にいくつ発注するか、仕入れ先をどうするかの判断は必ず担当者が行う、という線引きを明文化しておきます。
  • しきい値は定期的に見直す:需要の変化や新商品の追加に合わせて、「このカテゴリのしきい値を変えて」と伝えるだけで基準を更新できます。基準が現実とずれたまま動かし続けるのが一番危険です。

在庫アラートの先には、発注書の下書き作成や需要の傾向の把握など、仕入れ業務全体の効率化の広がりがあります。まずは「毎朝の見回りをツールに任せる」ところから始めるのがおすすめです。

まとめ:見回りはツール、判断は人

本記事の要点を整理します。

  • 欠品と過剰を自動で知らせる在庫アラートツールは、非エンジニアでもClaude Codeとの対話で作れる
  • 準備は「在庫一覧のサンプル」「判定ルールの箇条書き」「Claude Code」の3つ
  • 指示のコツは、列の意味としきい値を自分の言葉で書き、自社の数字に置き換えること
  • 季節性や仕入れリードタイムなどの事情は、対話で1つずつ教えて精度を上げる
  • 運用では、毎朝の定例化と「発注の最終判断は人」の線引きが重要

機械的な見回りはツールに任せ、人は発注の判断に集中する。在庫管理は、その分担効果が日々の手間に直結して表れる業務のひとつです。まずは今日の在庫データで試してみてください。

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執筆:AI CODEMY 編集部 / 最終更新:2026年6月14日